北京オリンピック!旧正月(春節)開催。中国では春節をどう過ごすか知っていますか?

北京オリンピック

コロナ前にはインバウンド消費と組み合わせてよく耳にした

「旧正月」・「春節」

そもそも毎年日付が変わるようだけど、それってどのように決まっているのか知って

いますか?そして、日本も以前は旧正月を祝っていたそうです。

太陽の暦か月の暦か、なんとなく知っているようではっきりとわからない新暦と旧暦、

なんとなく知っているだと気持ちが悪い人向けに簡単に解説しちゃいます。

太陽暦と太陰暦

新暦=太陽暦、旧暦=太陰暦のそれぞれはどのような仕組みなのでしょうか?

太陽暦

日本で現在使われている暦は太陽の動きを元にして作られているものです。

「太陽暦」という呼び方の他には「グレゴリオ暦」と呼ばれることもあります。

太陰暦

月の満ち欠けの周期を元にして作られた暦のことです。

日本や中国では、閏月(13か月目を入れる)などを用いてズレを調整する

「太陰太陽暦」、イスラム圏では調整しない「純粋太陽暦」を「太陰暦」

として呼んでいます。

主に今でも日本で聞く「旧暦」は主に中華圏に対して使われることが多いので、

「太陰太陽暦」のことです。

日本で暦が変わったのはいつ?

日本では明治6年に太陽暦が採用されました。

それ以前は、月の満ち欠けに太陽の動きを組み合わせて作られた「太陰太陽暦」

が使われていました。その暦が「天保暦」で、一般には「旧暦」と呼ばれています。

農業を行う上では旧暦との相性が良かったという言われ方もありますが(結局のとこ

ろ季節とのズレが常に少ないのは新暦)、明治時代に入ってから西洋化の一環として

暦を変更しました。(理由については諸説あるようですが)

そして、旧暦の明治5年12月3日を新暦の明治6年1月1日と定められました。

もし今だったら、師走でいよいよこれから年末のご挨拶や忘年会、クリスマスもと考え

ているところに突然「明日お正月です!」みたいなことで時間を得するのか損するのか

よくわからなくなりそうですね。

春節っていつ?

中国で旧正月のことを春節と呼びます。

一年の中でこの春節と建国記念の国慶節が最も重要とされ、長い休暇(1週間)となり

ます。(韓国、シンガポール、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどでも数日の祝日)

春節は旧暦の1月1日で、月の満ち欠けを考慮していますから必ずその日は新月(月が見え

ない)の日になります。

旧暦の12月31日は除夕と呼ばれ、この日の夜に家族で集まって食事して春晩(紅白歌合戦

とお笑いやショーなどが一緒になったテレビ番組)を見るというのが中国での旧正月の迎え

方です。いわゆる大晦日ってやつですね。

春節前後は、実家に帰るために鉄道の切符を取ることが難しくなり、その時の大移動を春運

と呼びます。TVニュースなどで、「◯◯年の春節は10億人が移動」なんて報道を見たことが

ある人も多いのではないでしょうか?近年は新型コロナウイルスの流行を抑えるために、省

を跨いだ帰省はできればしないように推奨されるなどコロナ前と比べると中国内の大移動も

少なくなっているとは言え、2022年でも10億人近くの人がどちらかには移動しているよう

です。

そして、春節と言えば、「花火」

私も過去に見たことがありますが、それはすごいのなんのって、、日本では絶対に見られな

い光景が街中のあちらこちらで見られるんです!ある日本人は「戦場」と表現した人がいた

くらいです。

しかし、ここ数年は、大気汚染対策などで徐々に自粛モード、そして、2022年は花火そのも

のを禁止している都市も多くあるようです。風物詩でもあったので、禁止されたことは残念

ですが、中国で1年間で消費される花火の約半分が春節に使われているとの話もあるでそうな

ので、禁止したことで、環境にとってはとても良いことなのだとは思いますが。

ちなみに、過去の春節では、

①幹線道路の中央分離帯

②マンション密集エリアは、中庭なども埋め尽くす

③路地裏、日本で言う4m道路もフル活用

④大きな公園などでは、場所を取り合うように

などに花火がズラーっと並べられるんです。

そして、大晦日カウントダウンあたりから一斉に打ち上げられるんです!

中には、近隣のビルの窓が割れてしまうなんてこともありましたし、立てていた花火が倒れ

て横に向かって発射してたり、一瞬で非日常に包まれるような経験でした。

同時に、超大型の爆竹も道中を埋め尽くすように仕掛けられるので、夜通し寝れないなんて

こともありました。

もう見れる日は来ないのかも知れませんが、もし仮に復活するようなことがあって、見るこ

とができればそれはラッキーなことかも知れませんよ。

新しい干支のはじまり

旧正月を祝う中国では、新しい干支もそこから開始されます。十二支は日本と同じですが、

猪は中国だと豚になっています。

また、干支について辰年は龍で縁起が良いとされ、生まれる子どもが他と比べると多いなん

てことも言われています。

最近若い人たちは自分の誕生日は新暦で祝うことが一般的(家族とだけ旧暦で祝うことも)

ですが、新暦の1月1日(元旦)と旧暦の春節の間は干支がまだ変わっていないので、新暦

の誕生日が1月の人はその前の年の干支になっていることもあります。

旧正月期間にすること、タブーは?

中国の旧正月休みの間は、多くの人が家族と過ごすためお店も休みになるところが多くなり

ます。(都市部ではチェーンのコンビニやファーストフード、スーパーやショッピングモール

などは営業時間を調整して開いていることが一般的です)

日本のお正月も初詣に出かける以外はおせちとお餅を食べ続けるなんてこともありますが、

中国でも事前に買いだめした食材・お菓子・お酒などを家で消費していきます。家族でマー

ジャンをする家庭も地域によるかもしれませんが多く見かけます。

それでは、逆にその期間中にはしないことは何でしょうか。これも地域によって違いはある

かもしれません。私が聞いたことのあるものだと、

・ゴミは出さずに部屋の中に置いておく。旧暦の1月5日になったら捨てても良い。

・靴を贈り物にしない(中国語で靴は鞋(xie)で邪(xie)と同じ音になるため)

・旧暦の1月1日から3日までは幸運を逃さないよう髪を洗わない。

・新しい年の干支に生まれた年男・年女は本命年と呼ばれ、厄年の位置づけ

・赤い服やものを身につける。

・春節前2日間は水神様がお休みのため洗濯をしてはいけない。

などなど、いろいろあります。

日本のおせちでも食べ物の名前から縁起の良いものを選ぶように、

中国でも魚(余という字の発音と同じ)を用意し、新しい年も食べ物に困らないように願

いを込める習慣があります。

タブーになるのは離を連想する梨(どちらもli)など、別れることや失うことなどに関する

漢字と同じ読み方のものを避けようとします。

ゴミを出さないとか、洗濯をしないとかというのは想像ではありますがお正月をゆっくり

過ごすために、してはいけないと決められたのではないかとも感じられます。

まとめ

どうでしょう?春節の習慣って面白くないですか??近年は渡航規制や隔離もあるようなの

で、簡単に訪問することはできませんが、解禁になったらお勧めしたいですね。ちなみに、

2022年の旧正月は2月1日、中国では1月31日から2月6日までを休みと定められています。

日本ではなかなか想像しにくいのが、1月29日30日の土日は平日扱いになることです。

連休にするためにその前後の土日で平日扱いとする日が年に何日かあります。

今年は冬季オリンピックが春節休み期間中の2月4日に開幕です。中国の人にとって

特別な旧正月になるかもしれません。オリンピックはTVでも中継されるでしょうから、も

しかしたら日本から見ていても、春節っぽい雰囲気が見られるかも知れません。もし仮に、

TVを通じて春節の雰囲気が味わえないとしても、TV中継の裏側、一般の人々にとっては特

別な休暇中にオリンピックが開催されていると言うことを知っておくと、味わい深いものに

なるのではないでしょうか。

日本では旧正月に特別何かをすることは見られなくなってしまいましたが、旧正月を休み

として過ごす人たち(主に中華圏)のおかげでコロナ前には多くの観光客がやってきまし

た。「爆買い」なる言葉も登場するなど、日本経済も相当潤っていたはずですよね。

日本にいながらも「もうすぐ春節」と意識できるような日々に早く戻ることを祈ります。

 

(写真は上海ディズニーランドのものをお借りしています)

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