次から次に変異を続ける新型コロナウイルス。これまで変異を続けたウイルスは、デルタ株
以降は、イオタ株、ラムダ株など8種類あったようです。
しかし、猛威を振るったデルタ株以外はほぼ死滅しているそうです。では、何故、オミクロ
ン株はここまで警戒されるのか、何故ワクチンが効かない可能性があると言われるのでしょ
うか。
免疫細胞が認識しない?
T細胞と言われる、免疫細胞は重症化、死に至るのを防ぐという重要な役割がありますが、
オミクロン株はT細胞が認識しない可能性があることが指摘されています。
T細胞が認識できる領域というのは数百に分類されるらしいのですが、このうち5、6つの
領域についてはウイルスの変異よって認識されない可能性が出てきているというのです。
この影響なのか、日本でも多くの国民がワクチンを接種したモデルナのC E Oは早々にワク
チンの有効性が低下するとの発言がなされました。ワクチン抗体は、3箇所のウイルス表面
の突起(スパイクと言う)を標的にしているらしいのですが、オミクロン株ではこの3箇所
全てが変異していることもわかっているそうです。
オミクロン株を報告した南アフリカの医師によると、倦怠感や頭痛、体や喉の痛み、咳、
そして、パルスオキシメーターが活躍した血中酸素濃度の低下、味覚異常などのデルタ株の
症状とも異なっていたと言っているそうで、正確な分析結果が出てくるまでは中途半端な恐
怖心だけが煽られてしまうという残念な状況がもうしばらくは続くことになってしまいます。
感染スピードが早い?
オミクロン株には、ベータ株やガンマ株が持っているとされるワクチンの効果を低下させる
変異が既に26箇所は確認されているのだそうです。
この変異箇所を含めて、免疫細胞がどの程度効果を発揮するのか、分析結果が待たれるとこ
ろですが、報告された南アフリカの現状を見てみると
10月 | 11月 | |
デルタ株 | 92% | 22% |
オミクロン株 | – | 74% |
新規感染者数は11月末の1000人強に比べ、わずか一週間で8000人以上と、7倍近くに膨ら
んでいることがわかっています。
そして、既に35の国へ感染拡大が広がっていることが報告されています。
デルタ株が猛威を奮っていた中、突然オミクロンがこの競争を制して感染を広げているよう
にもみることができるので、このことからもオミクロンの強力さが想像されるのでしょうね。
新たなワクチン供給は?
モデルナCEOは、「フィナンシャルタイムズ」のインタビューで、ワクチン効果について
「デルタ株と同じレベルの効果が得られることはない」との見解を表明、ファイザーの
CEOは、「ワクチン効果がもし低下するのであれば、新たなワクチンを作る。すでに作業
も始まっている、100日以内にできるだろう」と発言しています。しかし、過去にも似た
ような発言はありましたが、実際に市場にワクチンが供給されるようになったのは開発か
ら半年以上は経過していたはずです。本当に新たなワクチンが必要になるかどうかわかり
ません。
まとめ
ファイザーは飲み薬を開発中と報じられています。この飲み薬は抗ウイルス薬として開発さ
れるもので、ウイルスのスパイク変異を狙ったものではないので、効果が落ちることはない
のだそうです。これは安心材料!と思いたいところなのですが、海外で開発されたワクチン
や飲み薬が日本に入ってくるのは前述の通り早くても半年、1年後であろうことを考えると、
大きな期待も禁物ですよね。健康的な生活を心がけ、自己免疫を高めに維持していく努力を
していくしかないですね。よく寝てよく食べる!いつの時代もこれが基本ですね。